安価で性能アップする有機ELディスプレー
ナノテクノロジーと有機合成化学との融合により、独自に開発した有機半導体と単層カーボンナノチューブ(単層Carbon Nano-Tube :「単層 CNT」)をハイブリッド化し、アモルファスシリコン並みの高い移動度を示す塗布型有機半導体材料の創出に成功。紙のように薄く柔らかいディスプレーの実現につながる新素材。(東レ株式会社)
本材料を用いて作製した有機薄膜トランジスタ(有機TFT:Thin Film Transistor )は塗布型有機TFTでは世界最高レベルを実現。今後、有機TFTの実用化に向けて、2年後を目途に材料基本技術の確立を目指す。
現在主流であるシリコンTFTは、製造プロセスが複雑で高真空、高温装置が必要などコスト面に課題の中、今回、従来TFTで用いられるアモルファスシリコンと同等の高い性能を有する塗布型有機半導体材料の創出に成功かつ酸化に対して安定な分子構造を取り入れているため、大気中での長期間保存に対しても高い性能を維持することも可能。
現在製品化したディスプレーは画面の表示素子を動かす部品にシリコン系半導体を使っているため曲げられない。
これまでにも研究段階では折り曲げ可能なディスプレーはあるが材料のコストや性能に課題。
開発した新素材は、硫黄などを含む有機半導体。この材料に、ナノテクノロジーの材料として注目を集めるカーボンナノチューブを混ぜて電気を通す性能をシリコン半導体並みに向上させ製造コストも1/10程度になる。
成果を28日に千葉県船橋市で開催中の応用物理学会で発表。
ICタグにも使え現在、シリコン半導体を使うため1個数10円以上するが、有機半導体を使えば1円以下にできる可能性。紙や樹脂の表面に塗れるため商品の箱や袋に簡単に張れる。スーパーなどの商品管理がしやすくなると期待。
東レはフルカラー有機ELディスプレイ用に、世界最高レベルの高効率・高色純度を有する青色発光材料の開発にも成功している。
有機半導体とシリコン半導体の比較
有機半導体 シリコン半導体
製造過程 短い 長い
製造時間 速い 遅い
材料の使用量 少ない 多い
製造時の温度 低い 高い
コスト 安い 高い
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