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2008年3月23日 - 2008年3月29日

2008年3月29日 (土)

安価で性能アップする有機ELディスプレー

 ナノテクノロジーと有機合成化学との融合により、独自に開発した有機半導体と単層カーボンナノチューブ(単層Carbon Nano-Tube :「単層 CNT」)をハイブリッド化し、アモルファスシリコン並みの高い移動度を示す塗布型有機半導体材料の創出に成功。紙のように薄く柔らかいディスプレーの実現につながる新素材。(東レ株式会社)

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本材料を用いて作製した有機薄膜トランジスタ(有機TFT:Thin Film Transistor )は塗布型有機TFTでは世界最高レベルを実現。今後、有機TFTの実用化に向けて、2年後を目途に材料基本技術の確立を目指す。

 現在主流であるシリコンTFTは、製造プロセスが複雑で高真空、高温装置が必要などコスト面に課題の中、今回、従来TFTで用いられるアモルファスシリコンと同等の高い性能を有する塗布型有機半導体材料の創出に成功かつ酸化に対して安定な分子構造を取り入れているため、大気中での長期間保存に対しても高い性能を維持することも可能。

 現在製品化したディスプレーは画面の表示素子を動かす部品にシリコン系半導体を使っているため曲げられない。
これまでにも研究段階では折り曲げ可能なディスプレーはあるが材料のコストや性能に課題。

 開発した新素材は、硫黄などを含む有機半導体。この材料に、ナノテクノロジーの材料として注目を集めるカーボンナノチューブを混ぜて電気を通す性能をシリコン半導体並みに向上させ製造コストも1/10程度になる。
 成果を28日に千葉県船橋市で開催中の応用物理学会で発表。
 ICタグにも使え現在、シリコン半導体を使うため1個数10円以上するが、有機半導体を使えば1円以下にできる可能性。紙や樹脂の表面に塗れるため商品の箱や袋に簡単に張れる。スーパーなどの商品管理がしやすくなると期待。
 東レはフルカラー有機ELディスプレイ用に、世界最高レベルの高効率・高色純度を有する青色発光材料の開発にも成功している。
  

有機半導体とシリコン半導体の比較

         有機半導体  シリコン半導体

製造過程      短い      長い

製造時間      速い      遅い

材料の使用量   少ない     多い

製造時の温度   低い      高い

コスト         安い      高い

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携帯で翻訳システムを利用 無償公開

 携帯電話で利用可能な日常旅行会話を対象とした「超」多言語テキスト翻訳のモニターサービスを無償で開始。[(株)国際電気通信基礎技術研究所(ATR)]

ATRでは独立行政法人情報通信研究機構(NICT)の民間基盤技術研究促進制度受託研究などにより、「コーパスベース翻訳技術」と「世界最大の100万文からなる対訳コーパス」を開発し、このコーパスベース翻訳技術を用い、上記対訳コーパスに新たな言語の翻訳文を追加、ヨーロッパ系の9言語(英、独、デンマーク、オランダ、仏、イタリア、スペイン、ポルトガル、ブラジルポルトガル語)、アジア系の9言語(日本、中国、韓国、ロシア、アラビア、インドネシア、マレー、タイ、ベトナム語)、併せて、18言語の間のすべての組合せ306通りのテキスト翻訳を実現。

本モニターサービスでは、日本語と英語から 17言語へのテキスト翻訳とその逆方向のテキスト翻訳、合計66通りを公開。

2008年3月31日(予定)
<超多言語テキスト翻訳モニターサービスの仕様概要>
○ 旅行会話を中心とした日常会話テキスト翻訳機能
○ 逆翻訳(テキスト翻訳結果を逆方向に再翻訳)による翻訳精度チェック機能
○対象言語: 英、独、デンマーク、オランダ、仏、イタリア、スペイン、ポルトガル、ブラジル、日、中、韓、ロシア、アラビア、インドネシア、マレー、タイ、ベトナム
○下記のURLにアクセス
 インターネット利用が可能な携帯電話であればどの携帯電話会社でも利用可能。

Image002 http://atr-langue.jp/smlt/ Image007

更なる成果展開を図るべく、超多言語テキスト翻訳のモニターサービスを開始。
本公開モニターサービスを広く使っていただき利用者の御意見を取り入れ一段の翻訳性能向上とインタフェースの改善をはかり、一年後を目途に本格的なサービス(有償)を開始の予定。

今後もATRでは音声翻訳技術の世界展開をリードすべく、まずはアジアでATRを中心にした A-STAR コンソーシアム(メンバーは中国、台湾、韓国、タイ、インドネシア、インド、ベトナム、シンガポールの代表的研究機関)においてアジア言語間の音声翻訳実験を2009年1月に実施する予定。

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脂肪を蓄える仕組みを可視化

 生活習慣病に関連するタンパク質複合体の結晶構造を決定することに世界で初めて成功。(理化学研究所)
理研放射光科学総合研究センター(石川哲也センター長)タンパク質結晶構造解析研究チームのバガウティン・バガウティノフ研究員および国島直樹上級研究員らによる研究成果。

 生物は、体内で余ったエネルギーを脂肪(脂肪酸)として蓄え、生命活動の維持に必要な時にエネルギー源として利用している。しかし、食糧事情の安定している人間では逆に肥満や糖尿病など生活習慣病を引き起こす原因になっている。
過剰な食物摂取が原因の生活習慣病は、細胞による脂肪酸合成の最初の段階で必須な役割を担う酵素「アセチルCoAカルボキシラーゼ」の働きを制御することで、原理的には予防が可能。
そのような薬を開発するためには、この活性化を触媒するBPLと呼ばれる酵素とBCCPとの複合体の立体構造を決定する必要があるが、この複合体は非常に不安定で、その構造解析はいまだ成功していない。従って、このBPLによるBCCPのビオチン化の仕組みを原子レベルで理解することができると、生活習慣病の治療薬開発に道が開ける。
 研究チームは、古細菌BPLの結晶構造を参考にしてBPL変異体を8種類作成し2種類の変異体ではBPL-BCCP複合体の結晶化に世界で初めて成功。その後、放射光(ビームラインBL26B1)を用いてこれらの結晶の構造決定を世界で初めて実現し、創薬の基盤となる貴重な構造情報を得ることとなった。
よって今回の変異導入によるタンパク質構造安定化法の成功により、今まで解析できなかった疾患関連タンパク質の構造解析に道が開け、多くの治療困難な病気に対する安全で効能の高い治療薬設計が可能となり、その開発スピードが加速する。
今後、肥満や糖尿病などの治療薬開発のための候補化合物探索や、ビオチン標識を利用したタンパク質工学的技術の開発などを進めていく。

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 本研究成果は、米国の科学雑誌『Journal of Biological Chemistry』に近く掲載予定。

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日本発の注目を浴びているCGソフト

 東京ゲームショウ2007、バンダイナムコゲームスの人気格闘ゲーム「鉄拳6」への導入で注目を集めたOctaveEngine(TM)。(東京大学発のべンチャー企業のプロテック)

オクターヴエンジンは、大学で発明された流体などの各種シミュレーション技術に基づいてプロメテックが開発。ゲーム開発者向けの物理シミュレーションエンジン。「鉄拳6」では、池の中でキャラクターが格闘するシーンの制作に導入。
マウスを使って、滑らかに動く動画を素人でも簡単に描けるCG制作ソフトを開発。
流体・気体・剛体(固い物体)・弾性体(柔らかい物体)など、現実と同じような様々な性質の物体が素材として用意。

これらの物体を組み合わせる事で、ユーザーは車や歯車、動く人形など、より複雑な物や仕掛けを作って遊ぶことができる。
物体にユーザーが描いた絵や、写真などを貼付け、それらを変形させたり、バラバラに壊したり、溶かしたりすることもできる。

想像力を発揮して、あなただけのユニークな物理世界を作りユーチューブ(YouTube )に発信しても面白そうです。

ホームページGDC2008で注目を集めた2DマルチフィジクスエンジンOctaveEngine(TM) Casual(オクターブエンジンカジュアル)を搭載した体験版ソフトウェア OE-CAKE! の無料ダウンロードサービスを開始。OctaveEngine Casual(オクターブエンジン カジュアル)エンジンは、各プラットフォームへの最適化が行われる以前のバージョンを使用。2Dマルチフィジクスエンジン。動画の作成ではまず。「水」「ガス」「ひも」「もち」など描く対象を選び次にマウスでその絵の輪郭を描くと、絵がそのまま動き出す。動きは自然法則に従って正確に進む。物理シミュレーション手法として粒子法を採用。剛体だけでなく、弾性体、塑性体、流体や気体など、現実にある多くの物性に対応。
異なる性質の物体同士の力学的相互作用をリアルタイムに計算している。複数の物質を組み合わせることでより複雑・多彩な物理現象を表現できる。
やはりCGソフトな為にPC環境は要チェックです。

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2008年3月27日 (木)

現代風メタボの鉄腕アトム

 これは手塚治虫氏の原作漫画作品のキャラクター達を、リリー・フランキーがイラストとしてリメークするプロジェクトの第1弾に「アトムくん」(@Tezuka Productions / Lily Franky)。やや太めで、目は点状。正義感はある一方で、戦うことを好まない性格に設定。

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手塚作品には登場するキャラクターは数百に登る中、今回の「鉄腕アトム」を皮切りに、今後も「火の鳥」「ブラック・ジャック」などの代表作品をリリー・フランキー氏がイラスト創作していく。

リリー・フランキー氏は以下のようなメッセージをアトムくんに添えている。

「手塚先生の作品で育ち手塚作品に今でも影響を受けているボクにとってアトムを描かして頂いたことはとても光栄なことであり、また大きな励みになりました。 尊敬と自分らしさを込めてアトムくんが出来ました」。

アトムくんをフィーチャーした最初の商品は携帯電話。4月上旬より予約開始。

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リリー・フランキー
 1963年、福岡県生まれ。武蔵野美術大学卒業。
 イラストレーター、文筆家、小説家、絵本作家、写真家、構成・演出、アートディレクター、作詞・作曲など。

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2008年3月26日 (水)

花粉を出さないスギに期待

 日本人の5人に1人が悩まされているスギ花粉症。
県林業試験場(白山市)、県内から選抜した優良な形質を持つ「精英樹(せいえいじゅ)」のスギから、無花粉の遺伝子を備える品種を発見。
石川県は富山、新潟両県と共同で、「精英樹」と呼ばれる優れた形質の木で花粉の出ないスギの開発に成功。現在石川県で十五本の苗木が出来、一番大きいのは高さ約30センチ。植樹できるまでには約3年。
植樹でき効果が出るのは先。今後、挿し木による増産を進め、2014年度の出荷を目指している。
 富山県で見つかった無花粉スギと、精英樹の有花粉のスギとの人工交配を繰り返して開発。現在、交配させた苗木を生育中、雄花が成熟する来年中に無花粉の効果を確認し、県産「無花粉スギ」が完成する見通し。

無花粉スギの開発は、全国で初めて原木を発見した富山県が先進地とされるが、原木一本を元にした品種改良では近親交配となり、異常種の発生率が高い。このため、植林が可能な品種にするには精英樹同士の交配が不可欠。 

杉は樹齢25年ごろから花を咲かせ、30年ごろが最も活発に花粉を飛ばす。木材として使えるには樹齢50年前後。

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花粉の少ないスギについては以前にも話題になっている

 2005年林野庁と独立行政法人「林木育種センター」(茨城県日立市)は、花粉症対策として花粉がないスギの新品種「爽春(そうしゅん)」を開発。苗木をつくる穂木(挿し木にする枝)を都道府県に配布、普及を目指す。
 2007年富山県林業技術センター林業試験場では,春先になっても全く花粉を飛散しない無花粉スギを開発し,「はるよこい」と命名して品種登録の出願。
 2008年森林総合研究所は花粉症対策として、三重県で雄花が花粉を作らない無花粉スギ「スギ三重不稔(関西)1号」を開発したと発表。

各地で社会問題である花粉症の人達の為に研究者が凌ぎを削っている様子が見られる。

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2008年3月24日 (月)

たんぱく質でナノ単位のメモリー素子

ナノ構造半導体形成法を開発
松下電器のほか、東北大学、東京工業大学、大阪大学などが参加。成果は27日から千葉県船橋市で始まる応用物理学会で発表。

半導体特性を阻害するナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンを含まないフェリチンタンパク質と呼ばれる内部が空洞の球状たんぱく質で直径は12ナノメートル程度を用いた半導体製造プロセスを開発。アルカリ金属イオンを百億分の1のレベルに除去することが可能。トランジスタの動作状態が安定し、正確にデータを記憶させることができるため、これにより、従来の半導体プロセスでは困難である超微細構造の半導体が形成できるため、切手の大きさで1テラバイトの記憶容量を持つより信頼性の高いナノ構造半導体が作製。超大容量メモリー等の開発に弾みがつく。
シリコン基板に塗布するフェリチン溶液において、残留するアルカリ金属イオンの濃度を低減することに成功してフェリチン溶液が半導体製造プロセスに利用されるための重要なハードルをクリアできた。
シリコン基板に従来のリソグラフィ技術でチタンのパターンを形成す。シリコンには吸着せず、チタンにのみ吸着する特性を有する分子鎖を新たに取り付けたフェリチンに金属化合物(7nm以下)を内包させ、チタンパターンがあるシリコン基板に塗布すると、チタンパターンのみにフェリチンが自発的に並んで吸着。チタンパターンをリソグラフィで形成する以外は、フェリチンを含む溶液への各種化学物質の混合、基板への塗布のみで、大規模な設備を必要とせず比較的容易かつ安価に作製。
 ナノ粒子を凝集させることなく金属に還元させることが可能。まず、酸化膜を形成したシリコン基板表面に金属化合物を内包するフェリチンを配置し、さらにその上に酸化シリコンを堆積してフェリチンを基板に埋め込み、最後に加熱処理。酸化シリコンには金属化合物(酸化物)から酸素原子を引き抜く効果があり、金属化合物は還元され金属となり、電子を蓄積できるようになる。加熱温度は、シリコン基板に既に形成されているパターンや回路などへの影響が少ない、500℃程度と比較的低温。
 新技術ではアルカリ金属をほぼゼロにしてもたんぱく質がうまく働き、規則正しい構造ができた。実用化すれば従来の30倍以上の大容量メモリーを低コストで作れるなど幅広い応用が期待できる。5年程度での実用化。

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フェリチンタンパク質
外形12ナノメートル、内径7ナノメートルの籠状タンパク質の一つで、哺乳類のもっているタンパク質。生体内では鉄を貯蔵しますが、様々な無機化合物を籠の内部に形成させることもできる。

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2008年3月23日 (日)

水が流れない男性小便器

 南海電鉄は環境に優しい駅、きれいな駅を目指して男性用無水小便器「ウォーターフリー」を大量に導入。
平成19年3月(箱作駅)から開始し、現在18駅(73台)に設置している。(平成20年3月19日現在)
1台当たり年約300トンの水が節約。今後も年3ー4駅の割合で増やす計画。
当社が日本で初めての大量導入の事例。
21世紀は「水の世紀」。昨年12月には大分県別府市で「第1 回アジア・太平洋水サミット」が開催されるなど、水資源の重要性がクローズアップ。
無水小便器による節水効果は年間約2万2千トン、二酸化炭素排出量の削減効果は約12.7トンと想定。
また、水を使用しないことで、水の中のカルシウムイオンと尿が反応してできる尿石(悪臭のもと)ができにくく、カートリッジ上部の密閉液によって配水管から上がってくる悪臭を封じ込めるため、臭いの発生を防ぐこともできます。
メンテナンスは2ヵ月に1度のカートリッジの交換と、密閉液の流し込み、それに便器に付着した尿を専用クリーナーでさっと拭くだけで済む。

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水道代ゼロやメンテナンスのしやすさなどが受け、海外ではアメリカ国防省やイギリスのヒースロー空港などに導入。また、ドイツのアウトバーン沿いに点在する735カ所のガソリンスタンドやレストランなどに合計7000台以上の設置。国内では、羽田空港、丸紅の東京大阪本社、JR九州、富士電機デバイステクノロジー、アサヒファシリティズのほか、佐賀市役所、佐賀市高木瀨小学校などでも導入されている。この技術に、英国政府から傑出した環境保護製品と認められ、1998年に「ミレニアム賞」を受賞。
この技術は、米国ロサンゼルスに本拠地を置く環境保全技術企業ファルコン・ウォーターフリー・テクノロジーズが開発。

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単純ヘルペスウイルスの治療法開発に道

 ヘルペスはギリシャ語で「這う」という意味。発疹が神経の走行に沿って連なる事からこの名前がつけられた。
 ヘルペスは皮膚に水疱ができる病気のことで疱疹(ほうしん)とよばれる。この疱疹はヘルペスウィルスに感染して起こるもので風邪をひいたときにできる風邪の華や熱の華ともよばれるのもヘルペス。よくできるところでは口腔粘膜、口唇、外陰部、指など。全身どこにでもできる可能性はある。
 口唇ヘルペスの場合、ウイルスに感染している日本人は20〜30代で約半数、60代以上ではほとんどの人が感染しているというデータ。はじめ口の周りなどがむずむずと痒くなってきたり痛くなってきたりしたのち赤くなり、数時間のうちにそのあたりに小さな水ぶくれがたくさん出てきてくっついたりしながら大きな水疱となる。その後だいたい1週間〜2週間くらいのあいだにかさぶたになり、かさぶたが取れて治る。単純ヘルペスは痕を残さないのが特徴で、体の抵抗力が低下している人ではえぐれた痕が残ることがある。また、まれに患部近くのリンパ節がはれることもある。
 ヘルペスの特徴は潜伏感染といって、神経細胞に潜み、体の抵抗力が低下したときや体調のすぐれない時などに突然暴れだし発症。感染しても一生発症しないという人もいる。
また初感染の場合、症状が重くなる場合が多く、発熱やリンパ節の腫れなど起こることがある。通常再発の場合は初めて発症したときに比べて症状は軽くなる。

その単純ヘルペスウイルスが、人の細胞に侵入する仕組みを突き止めた。ウイルスと細胞のそれぞれ表面にあるたんぱく質が結合、外敵を攻撃する免疫システムをうまく避けながらウイルスが細胞内に入り込んでいた事がわかり新たな治療法開発などの足がかりになる成果。
 21日発行の米科学誌セルに掲載。単純ヘルベスウイルスはまれに脳炎を起こすことがある。治療薬はあるが、いったん症状が冶まってもウイルスは体内に潜伏し続け、体力が落ちると再発。国内で年間約8万人が治療を受けている。
 ウイルス表面の感染に関係している2つの糖たんぱく質のうちgBというタイプを詳しく調べ、人の細胞表面にあるPILRという受容体たんぱく質に結合するのを解明。PILRには、体に備わっている免疫システムが誤って自分自身を攻撃しないよう抑える働きがある。ウイルスがこの仕組みをうまく利用し、免疫応答を抑えながら細胞内に侵入していると考えられる。(大阪大学の荒噸向教授ら)

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